第 2 章返品
瞬きするほどの短い間に感じられたが、丸五年という歳月が静かに流れ去っていた。そして今、権威ある華やかな医学賞の授賞式が執り行われている。
会場は各界から集まった著名人たちで埋め尽くされ、どこを見渡しても、完璧に仕立てられたスーツや、優雅で洗練されたドレスの波が広がっている。
この圧倒的なまでの豪華絢爛さと洗練された空気の中にあって、目立たない会場の隅にひっそりと佇む、カジュアルな装いのひとりの女性が、控えめでありながらも不思議と人目を引いていた。
柔らかく落ち着いた色合いの、シンプルで控えめな衣服に身を包み、絹のように滑らかな髪は無造作なポニーテールにまとめられている。そして、その顔の大部分は大きめの医療用マスクに覆い隠されていた。
彼女は周囲の豪奢な雰囲気に少しも呑まれることなく、静かな落ち着きを払ってそこに立っていた。一方、VIP席に座るチャールズは、今宵の式典が始まってからずっと、彼女に視線を釘付けにしていた。
堂々とした優雅な佇まいは、周囲の華美な光景とは鮮やかな対比をなしていたが、それでもなぜか、彼女はまるで初めからそこが自分の居場所であるかのように、その場に完璧に溶け込んでいた。
何よりチャールズの心を捉えて離さなかったのは、マスクで顔の半分が隠れているにもかかわらず、彼女の持つ何かが、どういうわけか彼に説明のつかない強い既視感を抱かせたことだった。
それはまるで、死んだはずのダイアナが蘇ってきたかのような錯覚だった。だが、そんなことはあり得ない。ダイアナはこの世を去ったのではなかったか?
何年も前、彼は真実の欠片でも見つけ出そうと狂ったように探し回ったが、結局残されたのは、彼女が遺灰になったという残酷な事実の確認だけだった。
そんな彼の内心を知る由もなく、ステージ上では式典が滞りなく進行し、夜の深まりとともに滑らかにプログラムが消化されていく。
「ご来場の皆様、グリーン医師に盛大な拍手をお送りください! 彼女はまだ若き年齢でありながら、すでに医学界において画期的な進歩を遂げ、希少かつ複雑な疾患に対する専門的な治療法を開拓されました。その先駆的な功績はまさに医療の現場を根底から変革し、数え切れないほどの家族に希望と安らぎをもたらし、想像を絶する悲嘆から彼らを救い出したのです!」
司会者の熱を帯びた声がホールに響き渡ると、スポットライトがゆっくりと移動し、会場の隅で静かに佇む女性の姿を真正面から照らし出した。
彼女は落ち着き払った足取りでステージへと進み上がり、トロフィーをその手に受け取った。やがて、柔らかく穏やかな声がマイクを通し、会場の隅々にまで透き通るように響き渡る。
「このような素晴らしい名誉と評価を賜り、皆様に心より感謝申し上げます。皆様の揺るぎないご支援に深く感謝するとともに、一人でも多くの患者さんを救うという自らの使命に、これからも全身全霊で取り組んでいくことをここに誓います」
会場からは割れんばかりの拍手喝采が沸き起こり、同時に興奮に満ちたさざめきが広がっていった。
「あの方が、世界中でニュースになっているあの有名なグリーン医師なのか? それにしても、なぜこんな晴れの舞台にマスクをつけたままなんだ?」
「単なる彼女のこだわりの一つらしいぞ。彼女の手術スケジュールはぎっしり詰まっていて、予約を取るのは至難の業だとか。だが、その腕は本物だ――致死率百パーセントと言われた症例でさえ、あらゆる困難を覆して、まさに奇跡としか呼びようのない生還を果たさせたんだからな!」
「あんなに若いというのに、すでにこれほど素晴らしい功績を上げているとは。彼女の未来には、間違いなく非凡な道が約束されているな」
チャールズは周囲の興奮したさざめきを耳にしながら、好奇心と疑念、そして自分でも名付けようのない複雑な感情が入り混じった表情を浮かべていた。
彼の祖母であるセレスト・ヤングは現在重病に伏し、生死の境を彷徨っている。彼女の命を救う可能性のある極めて繊細な手術を行えるのは、ゾーイ・グリーンの持つ技術と専門知識をおいて他にないのだ。
賞を恭しく受け取った後、ダイアナは拍手喝采を送る観衆に向けて優雅に一礼し、ステージを降りた。
この五年間のうちに、彼女は目を見張るほどの称賛を集め、自分でも数え切れないほどの賞やトロフィーを手にしてきた。
あの忌まわしい結婚という呪縛、そしてかつて彼女のすべてを呑み込もうとした底知れぬ絶望からついに解き放たれたことで、彼女は真の自己再生と新たな命の息吹を見出していたのだ。
静かな決意を胸に秘め、ダイアナはまっすぐ控室へと向かった。
彼女がドアを押し開けたその瞬間、待ちわびていた二人の小さな子どもたちが、広げられた彼女の腕の中へと勢いよく飛び込んできた。
「ママ!ジェイソンと私、ママがテレビで賞をもらっているのを見たよ!」と、二人は興奮に顔を輝かせて声を弾ませた。
「ママ、すごい!私たちのヒーローだよ!」
輝くトロフィーには目もくれず、ダイアナはそれをそっと傍らに置くと、二人を抱き上げ、両腕に一人ずつ抱えながらソファに腰を下ろした。
子供たちの成長は早く、その体力と体重は日に日に増しているようだった。ありがたいことに、ダイアナは長年熱心にトレーニングを続けていた。そうでなければ、二人を同時に抱きかかえることなどとうてい不可能だっただろう。
あの痛ましい日々の中、爆発が周囲のすべてを飲み込むほんの一分前、ルーカスは間一髪のところで彼女を瓦礫の中から救い出してくれたのだ。
あの運命の日の事故により、デイジー・ジョンソンとジェイソン・ジョンソンは予定より丸六ヶ月も早くこの世に生を受け、誰もが予想し得なかったほど早く人生のスタートを切ることになった。
ここ数年、彼女は過酷な仕事をこなす傍ら、空いた時間と労力のすべてを子供たちの世話に注ぎ込み、ついに彼らを健康で幸せな、無邪気な子供へと育て上げたのだった。
これほど困難な道のりの中で耐え忍んできた苦労の深さと、数え切れないほどの犠牲は、母親にしか真に理解できないものだろう。
デイジーが甘く優しい声で口を開いた。「ママ、今日は手術をしてから授賞式に出たんでしょ。すごく疲れてるはずよ。リラックスできるように、ジェイソンと私で肩を揉んであげようか?」
ダイアナが答えるより早く、ジェイソンが身を乗り出して口を挟んだ。「ママ、今夜ステージにいた時、あの男の人に気づいた?」
ダイアナは彼の方を向き、戸惑いの表情を浮かべた。「どの男の人のこと?」彼女は心底不思議そうに尋ねた。
ジェイソンの声は怒りに高ぶり、その小さな体は感情の高揚で震えていた。「悪い男だよ、前にママを傷つけたやつ!デイジーも僕も、あいつのこと知ってるんだ!ママをすごく悲しませた張本人だろ!本当に最低なやつだよ!」
ダイアナは突然、全身に衝撃が走るのを感じた。まさか、チャールズのことを言っているのだろうか?しかし、彼女は自分の過去について、子供たちには一言も話したことがなかった。
もしかして……。ある考えが頭をよぎり、ダイアナは無意識のうちに手のひらに爪を立てていた。
その間にも、ジェイソンは短い足でソファから飛び降りると、リモコンを掴み、今日の授賞式の映像を巻き戻し始めた。
彼女の受賞スピーチの間、カメラは観客席をなめるように映し出し、出席者たちの姿を捉えていた。
ジェイソンは突然一時停止ボタンを押し、画面をちょうどチャールズの顔で止めた。「ママ、見て!こいつだよ!」彼は声を張り上げた。
ダイアナが抱いていた一縷の望みは、一瞬にして打ち砕かれた。「ママ、ジェイソンと私で、ママの代わりに復讐してきてもいい?」デイジーの声もまた、同じ決意を響かせて激しく鳴り響いた。
「ママは世界で一番素敵な人だから、何があっても私たちでママを守るんだ」
チャールズの面影を微かに宿すジェイソンとデイジーを見つめながら、ダイアナは唇を噛み締め、慎重に言葉を選んで口を開いた。
「誰かに何か言われたの?事実じゃないかもしれない想像に振り回されないようにね。あなたたちのパパは、もう何年も前に亡くなっているのよ」
それはまさに、彼らが幼い頃に父親について尋ねてきた時、彼女がいつも言い聞かせてきた言葉だった。彼らは何年もの間、それを真実として受け入れてきたというのに、なぜ今になって突然疑い始めたのだろうか?
ジェイソンとデイジーは意味ありげに顔を見合わせ、こう答えた。「ママ、僕たちもう三歳じゃないんだよ」
ダイアナは完全に言葉を失い、彼らの突然の大人びた態度に不意を突かれた。
ちょうどその時、アシスタントのレイラ・アダムスが静かにドアをノックした。
「ゾーイ、ちょっと一緒に来ていただけますか。ジョーンズ様が重要な件でお話ししたいそうです」
「ええ、わかったわ」ゾーイはためらうことなく答えた。
承諾の返事をした後、ダイアナは再びジェイソンとデイジーに視線を戻した。「二人とも、ここでいい子にしてるのよ。どこにも行っちゃ駄目だからね。この用事を済ませたら、できるだけ早く戻ってくるから」
ダイアナが部屋を出た瞬間、ジェイソンとデイジーの顔にいたずらっぽい笑みが浮かんだ。「いいこと考えた!」二人は声を揃えて叫んだ。「やっちゃおう!」
二人の子供は短い足で駆け出し、瞳に興奮の輝きを宿しながら、VIPラウンジに向かってまっしぐらに走っていった。
